Table of Contents
樋口雅一のニュース
出典:NHK ONE
今夜のサイエンスZEROでは、今年のノーベル化学賞で再び注目を集める
「MOF(多孔性金属有機構造体)」を特集します。
その最先端研究と実用化を語るゲストとして、
京都大学 iCeMS(物質–細胞統合システム拠点)特定拠点准教授であり、
MOFの実用化を進めるスタートアップ創業者でもある
樋口雅一(ひぐち まさかず)さんが出演します。
樋口さんは、今年ノーベル化学賞を受賞した北川進特別教授の直弟子としても知られ、
研究・産業の双方を深く理解する希少な研究者です。
樋口雅一のプロフィール

出典:京都大学アイセムス
名前:樋口 雅一(ひぐち まさかず)
生年月日(年齢):1975年生まれ(49歳)
出身地:高知県高知市
最終学歴:京都大学大学院工学研究科博士課程修了(2005年・博士(工学))
職業:京都大学 iCeMS 特定拠点准教授、スタートアップ創業者
樋口雅一の経歴
出典:日テレNEWS NNN
高知での幼少期と科学への興味の芽生え
樋口さんは1975年、高知市に生まれました。
幼少期から自然や物質の仕組みに強い関心を持ち、身の回りの現象を観察することが好きだったとされています。
地方都市で育ちながらも「世界の仕組みを知りたい」という探究心が強く、科学への興味はこの頃からすでに明確でした。
京都大学での専門形成と博士号取得
京都大学工学部へ進学し、工業化学を専攻。
物質の構造と機能の関係を学ぶ中で、配位化学・錯体化学に魅了され、研究者としての進路を決めます。
その後、京都大学大学院工学研究科で博士課程に進み、金属錯体・多孔性材料・分子性材料などの先端研究を本格的に推進。
2005年に博士(工学)の学位を取得しました。
樋口さんの研究スタイルは、学生時代から「分子レベルで材料を設計し、社会に役立つ形に育てる」という、基礎と応用をつなぐ強い志向が特徴でした。
理化学研究所・東京大学での研究キャリア
博士号取得後は理化学研究所に所属し、材料科学・合成化学の研究を深化させました。
理研では高機能材料の創出や、分子の性質を精密に制御する技術の応用など、学際的なプロジェクトにも参加しています。
その後、東京大学でも研究活動を行い、分子材料の機能解析や新規物質の評価手法の確立など、先端研究に幅広く携わりました。
この時期に培われた経験は、後の「MOF実用化」へ大きく繋がっていきます。
京都大学 iCeMSでのMOF研究と研究者としての確立
京都大学 iCeMS に着任後、樋口さんは多孔性金属錯体(MOF/PCP)の研究をさらに推進します。
MOFはナノレベルの孔を持つ材料で、
・ガス貯蔵
・分離技術
・触媒
・エネルギー変換
など多分野への応用が期待されています。
樋口さんは、MOFの構造を自在に制御し、吸着特性や反応性を最適化する研究で高い評価を受けてきました。
特定の分子だけを吸着する高選択性材料の開発などは、国際的にも注目される成果です。
MOFの実用化を目指すスタートアップ「Atomis」創業
2015年、樋口さんは京都大学発スタートアップ「Atomis」を創業。
これは、師である北川進特別教授が開発したMOFを社会に実装するための企業です。
Atomisは、
・次世代ガス容器「CubiTan(キュビタン)」
・ガス流通インフラの革新
などを掲げ、従来の高圧ガス技術を変える可能性を持つ企業として注目されています。
研究成果を企業へ橋渡しする「起業する研究者」という立場は、現在の日本の科学技術界でも非常に希少な存在です。
科学教育・アウトリーチへの情熱
樋口さんは研究だけでなく、子ども向け科学講演やワークショップを積極的に実施している点でも知られています。
東映太秦映画村や学校での講演会では、科学を身近に感じてもらうため、クイズ形式やユーモアを交えた内容で好評を得ています。
科学・研究・起業という3つの世界を経験している樋口さんの話は、多くの若者に影響を与えています。
樋口雅一のXの反応
さん
Ramus Inferior
樋口雅一のまとめ
樋口雅一さんは、MOF研究の最前線を走り続ける研究者であり、
その実用化に挑む起業家でもあります。
京都大学での基礎研究、理研・東大での応用研究、そしてスタートアップ創業という、
科学と社会を結ぶ独自のキャリアは非常に希有です。
今夜のサイエンスZEROでは、研究者・起業家・教育者という三つの視点から、
材料科学の未来を語ってくれる貴重な回になることでしょう。
こちらの記事も読まれています!
出典
・京都大学公式SNS
・京都大学 研究者データベース
・iCeMS 公開情報
・スタートアップ講演情報
・サイエンスZERO 放送情報



