白木裕士（テックマジック社長）のプロフィールは？学歴や経歴についても！

白木裕士（テックマジック社長）の経歴

白木裕士さんは、グローバルな視野と現場感覚の両輪を武器に、飲食業界の革命児とも言える存在として注目されています。彼の経歴は、一見すると“華麗”ですが、実は数々の試行錯誤や挑戦に満ちたリアルな道のりでもあります。

幼少期～高校時代：ものづくりへの興味とグローバル志向の芽生え

愛知県名古屋市出身の白木さん。幼少期からものづくりや機械に興味を持っていた一方で、当時は「理系ではなかった」と語るように、エンジニアとは無縁の学生時代を過ごしました。

高校卒業後、世界を舞台に活躍する人材を目指してカナダへ単身留学。ここで語学力と国際感覚を磨くだけでなく、後の起業に繋がる「自由な発想と行動力」を養ったと言います。

カナダでの学生起業と売却経験：挑戦と失敗からの学び

カナダの大学在学中に、初めての起業を経験。ECサイト系の事業を立ち上げ、一定の収益化に成功すると、学生ながらその事業を売却。これが「ビジネスで価値を生む」という感覚を体で覚えた最初の転機だったそうです。

当時から「社会課題を技術で解決したい」という思いはあったものの、具体的な方向性はまだ模索段階。それでも「失敗を恐れず動く」というスタンスは現在にまで受け継がれています。

BCG入社：ビジネスの現場で得た問題解決力

帰国後、2015年に大手戦略コンサルティングファーム「ボストン・コンサルティング・グループ（BCG）」の日本支社に入社。業界横断的なプロジェクトを数多く手掛け、経営視点での課題分析やビジネス戦略の立案力を身につけました。

この時に得た「再現可能な業務プロセスの設計力」と「定量分析のスキル」が、後の調理ロボットのアルゴリズム開発や事業設計に大きく役立っています。

起業のきっかけ：祖母の苦労を見て「調理ロボット」を発案

白木さんがTechMagicを立ち上げたきっかけは、実家の祖母が飲食店を営んでいた際に、厨房での過酷な労働を目の当たりにしたこと。猛暑の中、立ちっぱなしで鍋を振る様子を見て、「この負担をテクノロジーで軽減できないか」と本気で考えるようになります。

調理の現場は「経験や勘」がものを言う世界。AIやロボットでの再現が極めて難しい分野ですが、「だからこそやりがいがある」と白木さんは語っています。

TechMagic創業：未経験からハード×ソフトの融合を実現

2018年、エンジニアでもなかった白木さんは「ものづくりは素人」ながらTechMagic株式会社を創業。VCなどから資金を調達し、業界未経験のチームをまとめながら、0→1で調理ロボット開発に乗り出します。

最初のプロダクトは、炒め料理専門の調理ロボット「I-Robo」。調理工程をアルゴリズム化する難しさと向き合いながら、「熟練の味を数値化して再現する」ための研究開発を続けました。

業界での導入実績：大手飲食チェーンから引き合い多数

現在TechMagicのロボットは、大阪王将（イートアンド）、PRONTO、キユーピー、KFC、日清食品など多くの大手企業に導入されています。

中でもパスタを自動調理する「P-Robo」は、食材投入から茹で、ソース混ぜまでを一括でこなす設計で、「厨房のオートメーション化」に革新をもたらしました。

海外展開・資金調達：日本発スタートアップのロールモデルへ

TechMagicは2024年にシリーズCラウンドで25.4億円を調達。調理ロボットの高度化と量産体制の確立を進め、海外からも注目を集めています。

現在は米国などグローバル市場への展開も視野に入れており、世界の「食の現場」に変革を起こすべく、さらに事業拡大を図っています。

白木さん自身も、海外スタートアップや飲食DX事例を研究しながら、「日本発のロボティクス革命」を掲げて挑戦を続けています。