古谷裕彦（古谷乳業社長）のプロフィールは？学歴や経歴についても！

古谷裕彦（古谷乳業社長）の経歴

戦後創業の「町の牛乳屋」からスタート

古谷裕彦さんが代表を務める古谷乳業株式会社は、戦後の混乱が続く1945年、

千葉県で創業されました。

創業者は古谷裕彦さんの祖父・古谷良作氏。

戦後の栄養失調や食糧不足が深刻だった中、地域の酪農を支え、

健康に欠かせない「牛乳」を届けたいという強い思いでスタートしました。

当初は、数頭の乳牛を飼育し、手作業で搾乳・瓶詰めを行う

本当に小さな規模の酪農・乳業事業でした。

その後、1951年に法人化し、「古谷牛乳株式会社」として正式にスタート。

1957年には現在の「古谷乳業株式会社」に商号を変更。

地元の学校給食や商店を中心に牛乳を供給し、「千葉の牛乳」として市民に親しまれていきました。

2代目、3代目を経て現社長・古谷裕彦さんが継承

古谷裕彦さんは、創業家の3代目。幼少期から牛乳瓶が日常にあり、酪農や乳業に囲まれて育ちました。社長就任以前から、工場での作業や配送などに従事し、現場を知り尽くした上での経営を志します。

古谷乳業の2代目である父の経営を支える中、2000年代初頭から牛乳業界は「価格競争」や「大手の寡占化」という波にさらされます。スーパーやコンビニのPB商品などが台頭し、小規模メーカーの生き残りが厳しくなる中、古谷裕彦さんは2010年代に社長へと就任しました。

苦境と戦略転換 〜生き残りから攻めの経営へ〜

社長就任当時、牛乳の消費量は全国的に減少傾向であり、加えて酪農家の高齢化や減少、乳価の高騰など、地域密着型の乳業には逆風が吹き荒れていました。

そこで古谷裕彦さんは、「給食用牛乳」だけに依存しないビジネスモデルへの転換を図ります。地元・千葉のコンビニチェーン「ヤックス」と連携し、地域密着型の牛乳商品を開発。さらに、SNS世代をターゲットとしたパッケージデザイン重視の乳飲料に着手します。

大ヒット商品「ミルクの束縛」の誕生

転機となったのは、広告会社「カヤック」とのコラボで生まれた**「ミルクの束縛」**という衝撃的な商品。セーラー服のパッケージデザインがSNSで話題となり、「千葉県内のファミリーマート限定」で発売開始後、瞬く間に売上を伸ばしました。

口コミが拡散し、発売から2ヶ月足らずで累計6万本を突破。その後、200万本を突破し、関東から全国のファミリーマートへ販路を拡大。この実績を皮切りに、次々と個性的な乳飲料（「ぐうたら蜜バチ」「男のヨーグルト」など）を発売。

これらのヒット商品により、古谷乳業の知名度は一気に上昇。「町の牛乳屋」から「話題の乳業ベンチャー」へとポジションを確立しました。

中小企業の希望へ ～地域とともに歩む～

現在、古谷裕彦さんは「地元酪農家を守る」ことを経営の柱に掲げ、契約酪農家の乳を100％使用した商品開発を継続。工場見学や地元イベントへの参加、小学校への出前授業なども行い、地域密着の企業として信頼を集めています。

また、乳製品の加工やジェラート開発にも参入し、「千葉の味」を全国へ発信する挑戦を続けています。将来的には海外展開や観光業との連携にも意欲を見せており、古谷裕彦さんの手腕は「地域から世界へ」を実現する中小企業モデルとして注目されています。