日本チームにアクシデントがあった。
27日の馬場馬術、28日のクロスカントリーを終えた時点で、
団体でのメダル獲得圏の暫定3位につけた。
だが、2種目を終えた28日夜に北島隆三(乗馬クラブクレイン)の馬のコンディションが
良くなく、今朝の馬体チェックを通過できず、補欠の田中との入れ替えを決断。
競技開始2時間半前の午前8時半に田中は繰り上がりの出場を伝えられた。
日本チームには20点減点のペナルティーが科された。
田中は「鳥肌が立って止まらなかった」と初めての補欠からの出場に動揺したが、
北島からも「楽しんできて」と背中を押され、役目を果たした。
12年ロンドン、21年東京五輪に続いての出場。
無観客開催だった前回に比べ、伝統的な庭園のベルサイユ宮殿いっぱいの観衆が入り、
揺れんばかりの歓声が上がる。
「景色を見る余裕がなかったです(笑い)でもすごいなと。東京の時とは全然違いましたね」
とムードにも刺激された。
馬術競技の五輪で表彰台に入れば、1932年ロサンゼルス大会以来、
92年ぶりの快挙となる。
日本勢2番目の登場となる戸本一真(日本中央競馬会)、
5大会連続出場の48歳・大岩義明(nittoh)の記録にかかる。
田中は「あとはもう、応援します!」と、緊張がほどけて笑顔を見せていた。